週末の寝だめは逆効果。月曜の朝がつらくなる科学的な理由

「平日に溜まった睡眠不足を週末に取り返す。」そう思って休日に昼過ぎまで寝た経験は誰にでもあるのではないでしょうか。しかし実は、この「寝だめ」が月曜日の朝をさらにつらくしている可能性があります。

体には毎日リセットされる「内部時計」がある

私たちの体には、約24時間周期で動く「体内時計」が備わっています。この時計は朝の光を浴びることでリセットされ、毎日決まった時間に眠くなったり目が覚めたりするリズムを作り出しています。

この体内時計は非常に正確で、毎日同じ時間に起きることでリズムが整います。逆に、週末だけ大幅に起きる時間が遅くなると、体内時計がずれてしまいます。

週末の寝だめは「週に2回、時差ぼけをする」ようなもの

ドイツの時間生物学者ティル・ロネベルク教授は2006年の研究で、平日と休日の睡眠時間のずれが体に与える影響を調べました。

その結果、平日は早起きして休日は遅くまで寝るという生活は、毎週末に飛行機で海外へ行き、月曜日に戻ってくるような「時差ぼけ」状態を引き起こすことがわかりました。これは「社会的時差ぼけ」と呼ばれています。

平日は朝7時に起きて、休日は昼12時まで寝るとすると、体内時計が2〜3時間分ずれることになります。月曜日の朝に感じるあの強烈なだるさは、まさにこの時差ぼけが原因のひとつです。

「寝だめ」で体重が増えるという研究もある

コロラド大学の研究チームが行った実験では、36人の若い男女を3つのグループに分けて10日間観察しました。

十分な睡眠を取るグループ、毎日5時間しか寝ないグループ、平日は5時間しか寝ないが週末は好きなだけ寝るグループの3つです。

その結果、週末に寝だめをしたグループは、睡眠不足が続くグループと同様に夕食後の間食が増え、体重が増加していました。さらに血糖値のコントロールも悪化しており、週末の寝だめでは平日の睡眠不足による体への影響を取り戻すことができなかったということが示されています。

では、どうすればいいのか

睡眠の専門家が推奨するのは、「毎日同じ時間に起きること」です。

週末だからといって大幅に起きる時間を遅らせるのではなく、平日と1時間以内の差に収めることが理想とされています。どうしても眠い場合は、朝は決まった時間に起きて、昼に20分以内の短い昼寝で補う方法が効果的です。

また、夜は寝室にスマホを持ち込まない、寝る90分前に入浴するなど、眠りの質を上げる工夫をすることで、平日の睡眠不足そのものを減らすことが根本的な解決につながります。

まとめ

週末の寝だめは、疲れを取るどころか体内時計を乱して月曜日の体調をさらに悪くする可能性があります。大切なのは、週末も平日と同じ時間に起きることです。

「毎日同じ時間に起きる」というシンプルな習慣が、睡眠の質を上げる最も効果的な方法のひとつです。

参考文献