「朝は食欲がない」「ダイエットのために朝食を抜いている」という方は少なくないと思います。しかし朝食を抜く習慣が、筋肉の減少につながる可能性があることが研究でわかっています。
朝は体が最も「筋肉を分解しやすい」状態
夕食から朝食まで、人は7〜10時間程度何も食べない時間が続きます。この間、体はエネルギーを確保するために脂肪だけでなく筋肉のタンパク質も分解してエネルギーとして使い始めます。
筋肉は合成と分解を常に繰り返しています。食事をとった後は合成が進み、空腹のときは分解が進みます。朝は一晩中何も食べていない状態が続いたあとなので、筋肉が最も分解されやすい状態になっています。
この状態で朝食を抜いてしまうと、さらに筋肉の分解が進んでしまいます。
研究で示された朝食欠食の影響
名古屋大学の研究グループが行ったマウスを使った実験では、朝食にあたる時間帯の食事を与えないグループは、しっかり食べるグループと比べて2週間後に体重が約6%増加し、一方で筋肉量が約6%減少したことが報告されています。
また、早稲田大学の研究では、朝食でしっかりタンパク質を摂取したグループは、夕食に偏って摂取したグループよりも筋肉量の増加が大きかったことが示されています。
さらに、若者を対象にした研究では、朝食を抜いているグループは朝食をとっているグループと比べて筋肉量が少ないことが確認されています。
ただしこれらの一部はマウスを使った実験や観察研究であり、人間での因果関係を完全に証明したものではない点には注意が必要です。あくまでも参考のひとつとして捉えてください。
朝食を抜くと太りやすくなる?
先ほどのマウスの実験では、朝食を抜いたグループは筋肉量が減る一方で、体重と脂肪は増加していました。
筋肉量が減ると基礎代謝が落ちます。基礎代謝とは、何もしていなくても体が消費するエネルギーのことです。基礎代謝が落ちると、同じ食事量でも太りやすくなってしまいます。
「朝食を抜いてカロリーを減らしているのに痩せない」という方は、筋肉量の低下による基礎代謝の低下が影響している可能性があります。
朝食で何を食べるか
朝食で特に意識したいのがタンパク質です。
早稲田大学や名古屋大学の研究では、朝食でしっかりタンパク質を摂ることが筋肉の維持・増加に効果的であることが示されています。
朝食で手軽にタンパク質を摂れる食品はこちらです。
- 卵(ゆで卵・目玉焼き・スクランブルエッグ)
- 納豆
- ヨーグルト
- 豆乳
- チーズ
- ツナ缶
忙しい朝でも、卵1個と納豆があるだけで手軽にタンパク質を補えます。
朝食を抜きがちな方へ
「朝は時間がない」「食欲がわかない」という方は、いきなり大きな食事を用意しなくてもかまいません。まずはヨーグルト1個や卵1個など、小さなものから始めてみてください。
続けるうちに体が朝食を求めるようになり、自然と食欲が出てくることが多いです。
まとめ
朝食を抜くと、体がエネルギー不足を補うために筋肉を分解し始める可能性があります。筋肉量が減ると太りやすい体になり、長期的にはダイエットにも逆効果になりかねません。
まず明日の朝、小さくてもいいのでタンパク質を含む食事をとってみてください。
参考文献
- 名古屋大学・名古屋市立大学グループ「朝食欠食が筋肉量の低下と体重増加をもたらすことをマウスで解明」Science Portal(2022年)
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20220422_n01/index.html - ニップン栄養コラム「スポーツに必要な筋合成と食事」(2025年)
https://www.nippn.co.jp/BrandB/eiyou/column/39.html



