仕事が忙しくて睡眠時間を削っている。そんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか。「今週は忙しいから少し寝不足でも仕方ない」と思いながら、コーヒーを飲んで乗り切ろうとする。でも実は、その判断自体がすでに危うい状態になっているかもしれません。
睡眠不足と飲酒、実は同じ状態
ペンシルベニア大学の研究者が2003年に発表した研究では、1日6時間の睡眠を14日間続けたグループと、1日8時間眠ったグループを比べたところ、6時間睡眠のグループは2日間まったく眠らなかった場合と同じくらい頭の働きが落ちていることがわかりました。
さらに別の研究では、17〜19時間起き続けた状態では、一部のテストにおいてお酒を飲んで酔った状態と同等かそれ以下のパフォーマンスになることが示されています。
深夜まで仕事をして翌朝早く出勤する。それだけで、頭の中はお酒を飲んだときと同じような状態になっている可能性があるということです。
なぜ自分では気づけないのか
睡眠不足の一番厄介なところは、自分では気づきにくいことです。
眠れていない状態が続くと、その低下した状態が「普通」になってしまいます。眠いとは感じていても、自分の頭がどれだけ働いていないかを正確に把握できなくなるのです。
お酒を飲んだときに「自分は大丈夫」と思ってしまう感覚に似ています。判断する力そのものが落ちているため、落ちていることに気づけないのです。
睡眠不足が体に与える影響
頭の働きが落ちるだけではありません。睡眠不足が続くと体全体にさまざまな影響が出ることがわかっています。
風邪をひきやすくなる
眠っている間に体の免疫が活発に働きます。睡眠が足りないとこの働きが滞り、風邪をひきやすくなったり回復が遅くなったりします。
太りやすくなる
睡眠不足になると食欲が増えやすくなります。お腹が空いていなくても何か食べたくなる感覚が強くなり、結果として食べすぎにつながりやすいことが研究でわかっています。
髪に影響が出る
眠っている間、特に深夜0時から3時にかけて体の修復に関わるホルモンが多く出ます。この時間帯にしっかり眠れていないと、髪の毛の成長にも影響が出る可能性があります。
イライラしやすくなる
睡眠不足はストレスへの耐性を下げます。些細なことで怒りっぽくなったり、気分が落ち込みやすくなったりするのも、睡眠不足が原因のひとつです。
何時間寝ればいいのか
米国睡眠財団のガイドラインでは、18〜64歳の大人に推奨される睡眠時間は7〜9時間とされています。
ただし時間だけでなく質も大切です。同じ7時間でも、深くぐっすり眠れているかどうかで体の回復度は大きく変わります。
質の良い睡眠のために今日からできることはシンプルです。
- 寝る90分前にお風呂に入る
- 深夜0時前には布団に入る
- 寝室にスマホを持ち込まない
- 毎日同じ時間に起きる
まとめ
睡眠不足は「ちょっとだるい」程度の問題ではありません。頭の働き・体の免疫・体重・気分に至るまで、体全体に影響を与えます。しかも自分では気づきにくいという点が最も厄介です。
今夜、少しだけ早めにスマホを置いてみてください。



